ヤエヤマヒメボタルと夜の平久保半島。 一日一組だけの、特別な時間

石垣島北部・平久保半島でヤエヤマヒメボタルが乱舞する幻想的な夜の森

夜の森が、光り始める

日没後、森の中に入ります。

最初は何も見えません。目が慣れてくるのを、静かに待ちます。

虫の声。風の音。遠くで波が聞こえます。コノハズクやアオバズクの声が、暗い森の奥から届きます。昼間あれほど鳴いていたアカショウビンも、夜はどこかで静かに眠っています。

やがて、小さな光がちかちかと点滅し始めます。一つ、また一つ。気づけば周りが無数の光に包まれています。地面すれすれをふわふわと飛び交う光は、まるで星空が森の中に落ちてきたかのようです。

声が出ませんでした。こんな景色が、この島にあったのかと。

石垣島では毎年この季節に見られる景色ですが、数年間ホタルを追いかけてきた中で出会った、特別なポイントです。場所は非公開でご案内しています。

ヤエヤマヒメボタルってどんな生き物?

日本で最も小さなホタル

ヤエヤマヒメボタルは、石垣島と西表島にしか生息しない固有種です。体長はわずか2〜4ミリ。米粒ほどの小ささで、日本に生息するホタルの中で最も小さな種として知られています。

本州でよく見られるゲンジボタルのように川辺に生息するのではなく、落ち葉や腐葉土がある森の中で育ちます。1年かけてゆっくりと成虫になります。

その小さな体から想像できないほど力強く光ります。一か所に数百、数千匹が集まって光る様子は、天然のイルミネーションと呼ばれるほどです。初めて見た人が、思わず涙する光景です。

光り方が独特です

石垣島北部の森でヤエヤマヒメボタルが地面すれすれに飛び交う光の絨毯

ゲンジボタルのようにゆっくりではなく、ちかちかと素早く点滅するのがヤエヤマヒメボタルの特徴です。1秒間に3回程度のリズムで光り続けます。

光るのは主にオスです。メスを探しながら地面すれすれの低空をゆっくりと飛び回ります。高いところは飛ばず、地を這うように漂うため、森の中に光の絨毯が広がるように見えます。メスは翅を持たないため飛ぶことができず、地面や草の上でじっとしています。

オスもメスも飛翔力は非常に弱く、生息範囲は極めて限定的です。環境が少し変わるだけでいなくなってしまう、繊細な生き物です。

見られる時期と時間帯

3月中旬から5月末頃が見られる時期で、ピークは4月から5月上旬頃です。気候によって毎年多少前後します。

日没後から約30分〜1時間が最も活発に光る時間帯です。その後は徐々に光が少なくなっていきます。この短い時間だけに見られる、期間限定の光景です。

また、月明かりの強い満月前後は光が見えにくくなることがあります。新月前後の暗い夜の方が、より幻想的な光景を楽しめます。

命の短さと儚さ

石垣島北部・平久保半島の森に広がるヤエヤマヒメボタルの繊細な光の軌跡

成虫になったヤエヤマヒメボタルの寿命は、わずか1〜2週間ほどです。成虫になると餌をまったく口にせず、水だけを飲んで過ごします。

その短い命のすべてを、子孫を残すために使います。光はその求愛のサインです。米粒ほどの体で精一杯光り続けるホタルを見ていると、小さな命の力強さを感じます。

環境に敏感な生き物です

ヤエヤマヒメボタルは、光と音に非常に敏感です。スマホの画面の明かりでも光るのをやめてしまいます。大きな声も、ホタルにストレスを与えます。

また、虫よけスプレーの成分もホタルに影響を与えるため、観賞中の使用はできません。

観賞中は静かに、そっと見守ることが大切です。そのルールを守ることが、この景色を守ることにつながります。

ホタルを守るために、観賞中はスマホの電源も切ってもらっています。その分、目が暗さに慣れて、光がより綺麗に見えます。最初は不安な方もいますが、暗闇に慣れたときの感動は格別です。

一日一組にした理由

まるひで石垣島のホタルツアーは、一日一組限定です。

複数のグループが同時に入ると、話し声や光でホタルへの影響が出ます。それ以上に、あの静けさの中で光を見る体験は、大人数では味わえないと思っています。

家族で、カップルで、一人で。その時間をゆっくり静かに過ごしてほしいから、一組だけにしています。

ホタルは、見に行くというより、会いに行く感覚に近いと思っています。

ホタルにとっても、来てくれた方にとっても、静かな時間であってほしいと思っています。一組だけが森に入って、光をゆっくり見る。それがまるひで石垣島のホタルツアーです。

ツアーについて

開催期間・時間

  • 開催期間:〜5月末まで
  • 集合時間:日没後(前日にご連絡します)
  • 所要時間:1時間〜1時間半
  • 一日一組限定

料金・参加条件

  • 料金:お一人5,000円
  • 1名参加:+2,000円
  • お子さまも参加いただけます(料金同一)

集合場所・流れ・服装

まるひで石垣島ショップ外観・石垣島北部伊原間のSUPカヤックツアー拠点

まるひで石垣島のショップに集合し、現地へ移動します。

他のポイントには多くの人が訪れるようになりました。人の多い環境はホタルにとってストレスになります。まるひで石垣島では、数年間自分でホタル鑑賞を続けてきた中で見つけたポイントをご案内しています。場所は非公開です。同じポイントに毎日入ることはしません。ホタルへの影響を考え、大勢で一度に入ることも避けています。だから一日一組限定です。

服装はスニーカー、あれば長靴をおすすめします。肌の露出が少ない服装でお越しください。虫よけスプレーはホタルへの影響があるため使用できません。あらかじめご了承ください。

初めての方でも安心してご参加いただけるよう、現地でしっかりご案内します。暗い中を歩くので、足元だけ気をつけてもらえれば大丈夫です。

夜の平久保半島へ

昼間は、石垣島北部・平久保半島の海でSUPやカヤックを楽しんで、夜はホタルを見る。そんな一日が、石垣島北部では過ごせます。

うりずんの季節が終わり、夏が来る前のわずかな期間だけ見られる光景です。

ツアーでご案内する海の向こうに、こんな夜があります。

まるひで石垣島のツアーで大切にしていることはこちら

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